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LINEを軸にした統合マーケティングとは?サントリーのCRM戦略を解説

消費者の行動が多様化し、従来の広告だけでは十分な成果が出にくくなっている現在、多くの企業がマーケティング手法の見直しを進めています。
その中で注目されているのが、LINEを中心としたコミュニケーション戦略です。

飲料メーカーとして知られるサントリーでは、「ファン化」を軸にした独自のマーケティングを推進し、LINE公式アカウントやLINEミニアプリを活用した取り組みを展開しています。
本記事では、その具体的な戦略や施策について解説します。

統合プランニングで広告効果を最大化

メディアを横断した新しい広告設計

画像引用:LINEヤフー for Business サントリー

サントリーが重視しているのが「統合プランニング」という考え方です。
これは、テレビやデジタル広告、屋外広告などを個別に最適化するのではなく、横断的に組み合わせて最適な接点を設計する手法です。

従来はテレビを中心に広告戦略が組まれるケースが一般的でしたが、近年は視聴スタイルの変化により、デジタル媒体の重要性が急速に高まっています。
そのため、どのメディアをどのように組み合わせるかが成果を左右するポイントになっています。

LINE広告・Yahoo!広告の活用理由

統合プランニングの中で特に重要な役割を担っているのが、LINE広告やYahoo!広告です。
その理由として、以下のような特徴が挙げられます。

  • LINEヤフーのサービスのみを利用するユーザー層にリーチできる
  • ターゲット層と重なるユーザーが多い
  • 高い接触頻度を確保できる

さらに、LINE公式アカウント自体も「広告メディア」として活用されており、新商品やキャンペーン情報の発信に活用されています。
友だち登録しているユーザーは関心度が高く、効率的に情報を届けられる点が大きな強みです。

サントリー流CRMの特徴とは

画像引用:LINEヤフー for Business サントリー

「ゆるやかなセグメント」で共感を生む

広告施策と並行して進められているのが、CRM(顧客関係管理)の取り組みです。
サントリーでは、従来のような細かいデータ分析によるOne to Oneマーケティングではなく、「ゆるやかなセグメンテーション」を採用しています。

これは、購買データが十分に取得できない場合でも、アンケートや外部データを活用しながら、ユーザーの傾向に応じたアプローチを行う手法です。
個別最適化にこだわりすぎず、共感を重視したコミュニケーションを実現できる点が特徴です。

LINEをCRMの中心に据える理由

CRMの基盤としてLINEが選ばれている理由は、主に以下の通りです。

  • アプリダウンロードが不要で利用ハードルが低い
  • 継続的にユーザーと接点を持てる
  • リッチな体験を提供できる

自社アプリの場合、インストールの手間や維持コストが課題になりますが、LINEであればその負担を大幅に軽減できます。
さらに、LINEミニアプリを活用することで、アプリに近い体験を提供できる点も評価されています。

LINEを活用した具体的な施策事例

ギフトサービスで新たな接点を創出

サントリーでは、LINEミニアプリを活用したギフトサービスを展開しています。
これは、スタンプとドリンクチケットを組み合わせて気軽に贈れる仕組みで、受け取った側はコンビニで商品を引き換えることができます。

この施策のポイントは、次の通りです。

  • アプリ不要で完結する手軽さ
  • 感情に合わせてスタンプを選べる楽しさ
  • 商品体験につながる導線設計

こうした仕組みによって、単なる販促にとどまらず、ユーザー同士のコミュニケーションを通じてブランド接点を広げています。

参加型キャンペーンで購買を促進

さらに、ユーザー参加型の施策として実施されたのが「BINGO形式のキャンペーン」です。
購入した商品のバーコードを読み取ることでビンゴが進み、達成状況に応じて特典に応募できる仕組みになっています。

この施策では、ユーザーごとに異なるビンゴカードが表示される点が特徴です。
普段購入しない商品も意図的に組み込むことで、新たな商品との出会いを生み出しています。

その結果、

  • 応募数が大幅に増加
  • 未体験商品の購入機会が創出
  • ブランド認知の拡大

といった成果につながりました。

リアルとデジタルをつなぐ体験設計

オンライン施策だけでなく、リアルな場での体験強化にもLINEが活用されています。
施設内に設置されたタッチポイントをスマートフォンで読み取ることで、LINEミニアプリへ誘導し、スタンプラリーに参加できる仕組みです。

このように、リアルとデジタルを連携させることで、より深いブランド体験を提供しています。

AI活用による今後の展望

対話型サービスで新しい体験を提供

サントリーでは、LINE上で利用できるAIサービスの開発にも取り組んでいます。
ユーザーの希望条件をもとに飲食店を提案したり、シーンに合わせたコメントを生成したりするなど、エンタメ性の高い機能が特徴です。

このような取り組みによって、単なる情報発信にとどまらず、ユーザーとの双方向コミュニケーションを強化しています。

マーケティング全体へのAI活用

今後は広告運用やプランニングにもAIを取り入れ、より効率的なマーケティングを目指しています。
複数のメディアを横断する統合プランニングにおいても、AIの活用は重要な役割を担うと考えられています。

まとめ

サントリーの取り組みから見えてくるのは、「広告」と「CRM」を分断せず、統合的に設計する重要性です。
特にLINEを軸に据えることで、ユーザーとの継続的な接点を確保しながら、ファン化を促進しています。

今回の事例のポイントを整理すると、以下の通りです。

  • メディアを横断した統合プランニング
  • LINEを中心としたCRM設計
  • 参加型・体験型の施策によるエンゲージメント向上
  • AIを活用した新しいコミュニケーション

デジタルマーケティングが高度化する中で、こうした一貫性のある戦略が、今後ますます重要になっていくでしょう。