NTTドコモが進めるLINE活用戦略とは? dポイントクラブが実践するOne to Oneコミュニケーション
通信業界において、顧客との接点づくりはますます重要になっています。特にスマートフォン利用者との継続的な関係構築では、SNSやメッセージアプリの活用が欠かせません。
その中で、株式会社NTTドコモは「dポイントクラブ」のLINE公式アカウントを通じて、ユーザーごとに最適化した情報発信に取り組んでいます。単なる情報配信ツールとしてではなく、LTV(顧客生涯価値)の向上を目的としたCRM戦略の一環としてLINEを活用している点が特徴です。
本記事では、NTTドコモが取り組むLINE公式アカウント活用のポイントや、ID連携によるOne to Oneコミュニケーション戦略について解説します。
LINE公式アカウントを活用した顧客接点の強化
若年層へのリーチを目的にスタート
NTTドコモがLINE公式アカウントの運用を始めた背景には、既存メディアだけでは接触しにくい若年層へのアプローチ強化がありました。
当初は、以下のような一般的なSNS運用指標を重視していたとされています。
- 友だち数
- ブロック率
- 配信メッセージのCTR(クリック率)
しかし、運用を続ける中で、単なるリーチ数の拡大だけではなく、LINEを通じて顧客との関係性を深めることが重要だと考えるようになりました。
「dアカウント」とLINEのID連携へ発展
そこで注目されたのが、「dアカウント」とLINEアカウントのID連携です。
dアカウントは、NTTドコモが提供するさまざまなサービス共通の会員IDであり、ユーザーの利用状況や行動データが蓄積されています。このデータとLINEアカウントを連携することで、ユーザー属性や行動履歴に応じた情報提供が可能になりました。
これにより、LINEは単なる情報配信チャネルではなく、CRMを支える重要なコミュニケーション基盤へと進化したのです。
LTV向上を目指した3つの重点施策

友だち数の拡大
One to Oneコミュニケーションを成立させるためには、まず接点となる友だち数の確保が必要です。
NTTドコモでは、LINE上でのキャンペーンや各種施策を通じて友だち追加を促進。認知拡大と接触頻度の向上を図りました。
LINE公式アカウントは、メールマガジンよりも開封率が高い傾向にあるため、重要な情報を届けやすいという特徴があります。
さらに、若年層を中心に日常的に利用されるコミュニケーションツールであることから、自然な形で接点を維持できる点も大きなメリットです。
ID連携の促進

友だち数の拡大と並行して力を入れたのが、LINEアカウントとdアカウントのID連携です。
同社では、ID未連携ユーザー向けに以下のような施策を実施しました。
- ポイントくじ
- スタンプキャンペーン
- ミッション型施策
特に、条件達成型のインセンティブ施策はユーザー参加率が高く、多様なユーザー層に対してID連携を促進できたとされています。
その結果、2020年と比較して2024年にはID連携者数が約45倍に増加したと紹介されています。
One to Oneコミュニケーションの実現
ID連携によって実現したのが、ユーザーごとの最適な情報提供です。
例えば、新料金プランを案内する際でも、一律に同じメッセージを送るのではなく、
- 既存ドコモユーザー
- 他キャリアユーザー
- 特定プラン未契約者
など、細かくセグメントを分けて配信を実施。
これにより、ユーザーにとって不要な情報を減らし、必要な情報だけを届ける環境づくりを進めています。
LINE活用で目指す顧客体験の向上

通知機能による重要情報の最適化
NTTドコモでは今後の取り組みとして、「LINE通知メッセージ」の活用も進めています。
LINE通知メッセージとは、企業が保有する電話番号情報を活用し、重要性の高い情報をLINE経由で通知できるサービスです。
たとえば、
- dポイントの失効通知
- 契約関連のお知らせ
- 各種重要通知
など、ユーザーにとって必要性の高い情報を適切なタイミングで届けることが可能になります。
これまでメールやアプリ通知で行っていた案内を、より日常的に利用されるLINE上で行うことで、情報到達率の向上も期待されています。
顧客満足度向上とLTV最大化へ
LINE活用の本質は、単なる販促ではありません。
ユーザーにとって必要な情報を、適切なタイミングで、最適な形で届けることによって、サービス全体の体験価値を高めることにあります。
NTTドコモでは、友だち数の拡大、ID連携の促進、One to Oneコミュニケーションという3つの施策を循環させることで、LTV向上につなげる好循環を構築しています。
LINE公式アカウント活用が企業戦略の中心に
SNS運用は、単なる情報発信だけでは成果につながりにくい時代になっています。
現在は、
- 顧客データとの連携
- セグメント配信
- パーソナライズ
- CRM強化
といった視点が求められています。
NTTドコモの事例は、LINE公式アカウントを単なるSNS運用ではなく、顧客体験向上のための戦略的なプラットフォームとして活用している好例といえるでしょう。
今後、企業のLINE活用はさらに高度化し、より個別最適化されたコミュニケーションへ進化していくことが予想されます。
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