Pinterestの企業活用とは?集客・認知拡大につなげる運用方法と活用事例
企業のSNSマーケティングというと、InstagramやTikTok、Xなどを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。一方で、商品やサービスの認知拡大、Webサイトへの集客を目的とした施策として注目したいのが「Pinterest(ピンタレスト)」です。
Pinterestは、画像や動画をきっかけにアイデアを探し、「ピン」として保存できるビジュアル探索型のプラットフォームです。一般的なSNSのように最新投稿を追うだけではなく、ユーザーが「これからやりたいこと」「欲しいもの」「参考にしたいもの」を検索・保存する使われ方が特徴です。
そのため企業にとっては、まだ商品名やブランド名を知らないユーザーと接点をつくり、認知からWebサイトへの流入、商品購入までにつなげられる可能性があります。
今回は、Pinterestを企業が活用するメリットや具体的な運用方法、活用事例、成果につなげるポイントを解説します。

Pinterestとは?
Pinterestは、Web上の画像や動画などを「ピン」として保存し、自分のボードに整理できるサービスです。
例えば「オフィス インテリア」「結婚式 アイデア」「春 コーデ」「収納 アイデア」といったキーワードを検索すると、それぞれのテーマに関連するビジュアルが一覧で表示されます。
気になった投稿は保存できるため、ユーザーが後から見返しながら比較・検討できる点が特徴です。
Instagramなどではフォローしているアカウントの投稿を見る使い方が中心ですが、Pinterestでは「何かを探す」という検索行動が強く、検索エンジンに近い側面も持っています。
Pinterest公式では、ユーザーがアイデアの発見、計画、ショッピングなどを目的に利用していることが紹介されており、世界の月間アクティブユーザーは6.4億人規模となっています。
Pinterestビジネスアカウントとは?
企業がPinterestをマーケティングに活用する場合は、無料で利用できる「Pinterestビジネスアカウント」が基本です。
ビジネスアカウントでは、通常の投稿に加えてPinterestアナリティクスを利用でき、ピンの表示回数やユーザーの反応などを分析できます。また、Pinterest広告を利用した認知拡大や集客も可能です。
個人アカウントからビジネスアカウントへ切り替えることもできるため、すでにPinterestを利用している場合でも企業運用を始めやすい仕組みになっています。
Pinterestを企業が活用するメリット
Pinterestは単なる画像投稿サービスではなく、企業の認知拡大やWeb集客との相性が良いプラットフォームです。
潜在顧客に商品やサービスを発見してもらえる
Pinterestの大きな特徴は、ユーザーが具体的な企業名や商品名を知らない段階でもコンテンツを発見できることです。
例えば「リビング インテリア」と検索しているユーザーに家具メーカーの商品画像が表示されれば、そこで初めてブランドを知ってもらえる可能性があります。
Pinterest公式によると、上位検索の多くはブランド名を指定しない検索であり、ユーザーが新しい商品やブランドを探す場として利用していることが示されています。
すでに認知されているユーザーを追いかけるだけでなく、「まだ自社を知らない層」と接点をつくれることは企業にとって大きなメリットです。
WebサイトやECサイトへの流入につなげられる
Pinterestでは、ピンから外部Webサイトへ誘導できます。
自社ブログの記事や商品ページ、ECサイトなどと画像を組み合わせることで、Pinterest内で興味を持ったユーザーを自社サイトへつなぐ導線を設計できます。
特にインテリア、ファッション、美容、料理、旅行、住宅など、写真やデザインから興味を持ってもらいやすい商材との相性が良いでしょう。
オウンドメディアを運営している企業であれば、記事の内容を一枚の画像にまとめ、記事ページへ誘導する使い方も可能です。
投稿が長期間見られる可能性がある
多くのSNSでは、新しい投稿が次々にタイムラインへ流れていきます。
一方、Pinterestは検索や関連ピン、保存したボードなどから過去のコンテンツが再び発見される仕組みになっています。
そのため、投稿直後だけではなく、中長期的にアクセスを生み出すコンテンツとして活用しやすい点も特徴です。
季節ごとに繰り返し検索されるテーマや、ハウツー、比較、アイデア集など、時間が経過しても価値が下がりにくいコンテンツとの相性があります。
Pinterestを企業集客につなげる運用方法
Pinterestを始めるだけで自動的に集客できるわけではありません。成果につなげるには、検索されるテーマと自社コンテンツを結びつける必要があります。
運用目的を明確にする
最初に決めたいのが「Pinterestを何のために運用するのか」です。
企業によって目的は異なります。
例えばブランド認知を高めたい場合は、ブランドの世界観が伝わるビジュアルを中心に発信します。一方、Web集客を増やしたい場合は、記事やサービスページへ誘導できるピンを増やす必要があります。
ECサイトであれば、商品の利用シーンやコーディネート例などを投稿し、購入ページへつなぐ設計が考えられます。
目的によって投稿内容やKPIが変わるため、運用開始前に方向性を明確にしておきましょう。
Pinterest内の検索キーワードを意識する
Pinterest運用では、ビジュアルだけでなく検索対策も重要です。
ユーザーがどのような言葉で検索するのかを考え、ピンのタイトルや説明文、ボード名などに関連キーワードを自然に含めます。
例えば家具メーカーであれば、「家具」という大きなキーワードだけでなく、「一人暮らし インテリア」「北欧 リビング」「狭い部屋 収納」といった具体的な検索テーマまで広げることで、ユーザーのニーズと接点をつくりやすくなります。
Pinterestにはユーザーが検索しているテーマを確認できるPinterest Trendsも用意されているため、コンテンツ企画にも活用できます。
ボードをテーマ別に整理する
Pinterestでは、ピンを「ボード」というカテゴリーごとにまとめられます。
商品カテゴリーだけで分類するのではなく、ユーザーの目的や悩みに合わせてボードを作ることが重要です。
例えば旅行会社であれば、「国内旅行」「海外旅行」だけではなく、「女子旅」「一人旅」「絶景スポット」「週末旅行」など、検索するユーザーの目的に合わせた分類が考えられます。
ユーザーが情報を探しやすくなるだけでなく、自社がどのようなテーマを扱う企業なのかも伝えやすくなります。
Pinterestの企業活用事例
実際の企業アカウントを見ると、Pinterestでは単純な商品紹介だけでなく、ユーザーが探している「アイデア」を軸にコンテンツが設計されています。
H.I.S.|旅行目的から探せるボード設計
旅行関連では、H.I.S.がPinterestを活用した事例があります。
国や地域だけでなく、一人旅や学生旅行といった旅行スタイルに合わせてボードを整理していることが特徴です。
企業側の商品カテゴリーではなく、「ユーザーがどのような旅行をしたいのか」という視点でコンテンツを分類する考え方は、ほかの業種でも参考になります。
北欧、暮らしの道具店|ブランドの世界観を伝える
ECサイト・メディアを運営する「北欧、暮らしの道具店」では、インテリアやファッション、食など、暮らし全体をテーマにしたPinterest活用が見られます。
商品そのものを並べるだけではなく、ブランドが提案する生活のイメージをビジュアルとして蓄積することで、Pinterest上でブランドの世界観を伝えています。
Pinterestは、このようなライフスタイル提案型のマーケティングと特に相性が良いプラットフォームといえるでしょう。
VOGUE JAPAN|Webメディアへの導線として活用
Webメディアを運営する企業にもPinterestは活用できます。
VOGUE JAPANでは、ファッションや美容などのテーマごとにコンテンツを整理し、PinterestからWeb記事へアクセスできる導線を設けています。
記事コンテンツを持つ企業の場合、Pinterestを「もう一つの検索流入チャネル」として活用する考え方も有効です。
Pinterest運用で成果を高めるポイント
保存したくなる情報をつくる
Pinterestでは、「いいねをもらえるか」だけではなく「後から見返したいと思われるか」という視点が重要です。
チェックリスト、比較表、アイデア集、コーディネート例、レシピ、手順解説など、ユーザーが保存しておきたくなる情報はPinterestと相性があります。
商品を直接宣伝するだけでなく、「役に立つ情報の中に自社の商品・サービスを自然に登場させる」という考え方が重要です。
デザインに統一感を持たせる
Pinterestはビジュアルを中心としたプラットフォームのため、クリエイティブの品質も成果を左右します。
写真の雰囲気やフォント、ブランドカラー、レイアウトなどを統一することで、一覧表示されたときにもブランドを認識してもらいやすくなります。
Canvaなどを使ってPinterest用のテンプレートを作成しておけば、デザインの統一と制作効率化を両立できます。
アナリティクスで改善を続ける
企業運用では、Pinterestアナリティクスを活用して投稿結果を確認することも重要です。
表示されたピン、反応を獲得したテーマ、Webサイトへの流入につながったコンテンツなどを分析し、成果の高いテーマを増やしていきます。
Pinterestは検索需要をもとにコンテンツが発見されるため、一度に大量投稿するよりも、ユーザーの検索ニーズを確認しながら継続的にコンテンツを増やしていく運用が重要です。
Pinterestを新たな集客チャネルとして活用しよう
Pinterestは、InstagramやTikTokなどとは異なり、「未来の行動を考えているユーザー」に情報を届けやすいプラットフォームです。
ユーザーはファッション、インテリア、旅行、料理、結婚、住宅など、これからやりたいことや購入したいものを探しながらPinterestを利用しています。
企業側も単なる商品宣伝ではなく、「どのようなアイデアを探している人に自社を見つけてもらうか」という視点でコンテンツを設計することが重要です。
特に、ビジュアルとの相性が良い商品を扱う企業、ECサイトを運営する企業、画像を多く持つオウンドメディアなどは、Pinterestを新たな集客チャネルとして検討する価値があります。
まずはビジネスアカウントを整え、自社のターゲットが検索しそうなテーマを洗い出し、少数のボードから運用を始めてみるとよいでしょう。
.png)