「成果を出しているのに評価されない」BtoBマーケターが抱える課題とは
BtoBマーケティングの現場では、「数字を伸ばしているのに評価されない」と感じている担当者が少なくありません。リード獲得数やCPA改善などのKPIを達成していても、経営層からは「売上につながっているのか」という視点で評価されるケースが多く、現場との温度差が生まれています。
近年はマーケティング活動の重要性が高まる一方で、組織内での役割や成果指標の共有が不十分な企業も多く、現場担当者の苦悩は深まっています。こうした背景を受け、BtoBマーケティングに携わる担当者への調査結果から、経営層と現場の間に存在するギャップの実態が見えてきました。
現場と経営層で異なる「予算感覚」
調査では、マーケティングに関わる人材を「実務者」「計画立案者」「意思決定者」の3つに分類し、予算や評価に対する認識を分析しています。
その中で特に目立ったのが、マーケティング予算に対する認識の違いです。
意思決定層では「今年度は予算を増やせた」と回答した割合が半数を超えた一方、実務者層では増額を実感している割合が大きく下回りました。逆に、「予算は横ばい」と感じているのは現場側に多く、同じ組織内でも見えている景色が異なっていることが分かります。

画像引用:Marke Zine
なぜ同じ会社で認識がズレるのか
この背景には、経営層と現場が見ている予算の単位の違いがあります。
経営層はマーケティング投資全体を俯瞰して判断する一方、現場は日々運用している広告費や施策予算を基準に考えています。そのため、全体としては増額されていても、担当部署では自由に使える予算が増えていないケースもあります。
つまり、数字自体よりも「どこに、どのように配分されているのか」が、現場の実感に大きく影響しているのです。
「経営層は売上しか見ていない」は本当か
マーケターの間では、「経営陣は売上しか評価していない」という声をよく耳にします。しかし、調査データを見ると、必ずしもそうとは言い切れません。
実際には、意思決定層ほど多様なKPIを見ている傾向があり、「認知度」「リード獲得数」「CPA」「ROI」などを総合的に確認しているケースが目立ちました。

画像引用:Marke Zine
現場との違いは指標の数にある
実務者は担当施策の成果に集中するため、限られたKPIを深く追いがちです。一方で経営層は、複数の指標を横断的に見ながら投資対効果を判断しています。
つまり、両者の違いは「何を見ているか」ではなく、「どこまで広く見ているか」にあると言えます。
この認識のズレによって、現場は「成果を理解してもらえていない」と感じ、経営層は「全体最適の視点が不足している」と受け止める構図が生まれているのです。
部門ごとに異なるマーケティングへの期待
もう一つ大きな課題となっているのが、部門ごとにマーケティングへ求める役割が異なる点です。
営業部門は「すぐに商談につながるリード」を期待し、経営層は「中長期的な売上成長」を重視します。一方、マーケティング部門は認知拡大や顧客育成など、比較的長期目線で成果を見ています。
この期待値の違いが、評価のズレをさらに大きくしています。
KPIだけでは価値を説明しきれない時代へ
従来はリード数やCPAなどの数値改善が重視されてきました。しかし現在は、それだけではマーケティング活動の価値を十分に説明できなくなっています。
たとえば、
- ブランド認知がどのように商談化へ影響したのか
- コンテンツ施策が営業効率をどう改善したのか
- 中長期でどれほど顧客接点を増やしたのか
といった、より広い視点で成果を語る必要があります。
単なる施策成果ではなく、「事業成長にどう貢献したか」を共有できる組織ほど、社内評価を得やすい傾向があります。
予算を増やせる組織に共通する特徴
調査では、マーケティング予算を拡大できている企業には共通点も見られました。
それは、「評価指標が明確であること」です。
予算増加に成功している企業では、施策ごとの成果測定が整備されており、経営層と現場が共通の数字を見ながら議論できています。
逆に、予算が減少している企業では、「何をもって成功とするか」が曖昧なケースが目立ちました。
データを共通言語に変える重要性
BtoBマーケティングでは、感覚的な評価ではなく、客観的なデータを基準に会話できる体制が重要になります。
たとえば、
- 商談化率
- LTV
- 受注単価
- 顧客獲得コスト
- リード品質
などを部門横断で共有することで、マーケティング施策の価値を説明しやすくなります。
データが共通言語として機能すれば、現場と経営層の認識差は徐々に縮まり、評価制度や予算配分の改善にもつながっていきます。
マーケティング組織に求められる翻訳力
現在のBtoBマーケティングでは、施策を実行する力だけでなく、「成果を組織に伝える力」が重要視されています。
どれだけ優れた施策を行っても、その価値が社内で正しく理解されなければ、予算や評価にはつながりません。
そのため今後は、
- 経営視点で成果を説明する力
- 営業部門と共通認識を持つ力
- データを分かりやすく翻訳する力
が、マーケターにとって欠かせないスキルになっていくでしょう。
成果を可視化し、組織全体で共有できる企業ほど、マーケティング活動を成長エンジンとして活用できる時代に入っています。
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