プレイド、KARTEシリーズにAI画像生成機能を導入──クリエイティブ制作の効率化を加速
日本発のCX(顧客体験)プラットフォームを提供する企業、プレイドは2024年10月2日、同社の「KARTEシリーズ」にAIを活用したクリエイティブ制作機能を追加すると発表した。これによりWebサイトや広告コンテンツの画像制作プロセスが大幅に改善される見込みだ。
プレイドが提供する「KARTE」は、企業がサイト訪問者ごとの行動や属性に応じて体験を最適化できるCXプラットフォームとして広く利用されている。今回の機能追加は、こうした顧客体験の改善だけでなく、コンテンツ制作そのものをAIで支援する動きへと拡張したものだ。
これまでWebサイトや広告で使われる画像は、外部のデザイナーに発注したり、ストックフォトを探すなどの手間が必要だった。しかし今回の機能追加により、企業担当者自身がAIを使って画像を生成・調整することが可能になる。こうした仕組みは、制作コストや時間を抑えつつ、よりオリジナル性の高い素材を用意する助けとなる。
最新の画像生成AI「Imagen 3」を活用
KARTE Craftと連携したAI支援の強化
今回追加された機能は、特にサーバーレス環境での開発を可能にする「KARTE Craft」内で使えるようになった。中核となるのは Googleの最新画像生成AI「Imagen 3」 を取り入れた点だ。
このAIはテキストプロンプト(指示文)から高品質な画像を生成できるもので、従来のテンプレートベースの自動生成とは一線を画す精度を持つ。たとえば「秋のファッションを着た20代女性が街中を歩くシーン」といった、具体的なシチュエーションを示すプロンプトを入力すると、それに沿った画像がアウトプットされる。
KARTE Craftでは、この画像生成機能に加えて サイトホスティング機能「Craft Sites(β版)」やAIチャット支援など複数のツールが統合されている。 これにより、単なる画像制作だけでなく、制作した素材を自社サイトやKARTE Blocks(サイト運営プラットフォーム)内で即座に活用することが可能になった。

画像引用:PLAID
制作プロセスの革新
AIチャットとプロンプトギャラリーで画像改善も自由自在
画像生成のプロセスには、いくつかの便利なサポート機能が追加されている。第一に、AIチャット機能による“壁打ち”形式の改善支援だ。これはユーザーが生成した画像についてAIと対話をしながら改善点や修正点を相談できるものだ。こうした対話型のインターフェースにより、制作に不慣れな担当者でも思い通りの画像に近づけやすくなる。
また、「プロンプトギャラリー」 と呼ばれるテンプレート集も用意されている。これはすぐに使えるプロンプト例を提示することで、思わぬアイデアや構図を発想する助けとなる機能だ。たとえば「爽やかな夏キャンペーン向けの背景画像」や「イベント告知用バナー素材」など、カテゴリごとに最適なプロンプトが紹介されている。これを使えば、ゼロからプロンプトを考えなくても高品質な画像を迅速に生成可能だ。
さらに生成された画像にはテキストや他の画像を埋め込むことができる。 これにより、ブランドロゴやキャッチコピーを自然な形で合成でき、制作した素材をそのままプロモーション用途に使いやすくなっている。
デジタルマーケティングとAIの融合が進む背景
今回のプレイドの動きは、マーケティング領域でのAI活用が一層進む潮流と一致している。従来、Web担当者やマーケティング担当者はクリエイティブ制作の度に外部デザイナーやストックフォトサービスに頼るケースが少なくなかった。しかし、生成AIの登場によりこうした外部リソース依存を減らし、社内で迅速に制作できる体制が整いつつある。
また、AIを活用することで、短時間で複数のバリエーションを試すことが可能になり、ABテストやパーソナライズ施策といったマーケティング戦略における制作の柔軟性も高まる。これは、顧客体験の最適化というKARTEの本来の目的とも親和性が高い。
生成AIの導入事例は他社でも見られるようになっているが、Webサイト運営とコンテンツ制作を一体的に支援するツールとしてAIを組み込んだ取り組みは、業界全体で注目を集めている。 企業が持つ「顧客接点データ」と「AIによるクリエイティブ制作」が連携すると、従来よりも高度なパーソナライズ体験が可能になるからだ。
まとめ:AIが推進するWebクリエイティブ制作の新時代
プレイドがKARTEシリーズに追加したAIによる画像生成機能は、Webマーケティングとクリエイティブ制作の効率化を同時に進める一手だ。Googleの最新AIを活用し、画像の生成・改善・活用・検証までをシームレスに行える仕組みは、現場の負担軽減と制作スピードの向上に寄与することが期待される。
これまでのように外部リソースを必要とせず、社内で高品質なビジュアルコンテンツを手軽に制作できる環境は、Web担当者やマーケティング担当者にとって大きな利便性向上につながるだろう。また、こうした動きは今後も他のツールやプラットフォームでも加速する可能性があり、業界全体の制作フローの革新につながると考えられる。
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